まず、主演のジェシカ・チャスティンという女優さんについて、私が彼女を初めて知ったのが「キリング・フィールズ」という陰鬱な犯罪映画での、サム・ワーシントン演じる捜査官の元夫にブチ切れまくる保安官の役でした。ちょい役でしたが、細身の華奢な彼女が周囲の男たちに啖呵を切りまくる迫力と存在感が強く印象に残りました。それから話題作「ゼロ・ダーク・サーティー」の主演を皮切りに、次々主役級の役を演じるようになった彼女のことをいい女優さんだなと思っているファンの一人です。あくまでも個人的な感想ですが、強さと弱さ(繊細さ)を巧みに演じ分け、強さの輝きの表現力は、今のハリウッドでは稀有な存在だと思います。
この映画は結末があらかじめ予想できそうでありながら、意外にネタバレ厳禁な映画で、ジェシカ演じるロビイストが銃社会アメリカでどう戦ったかという結末を伝えにくいのですが、多分、映画を鑑賞するに際して鑑賞のハードルを上げてしまうであろう、社会派サスペンスなどと分類されるメッセージ性や政治性の強すぎる映画なんじゃないの?といった面は気にならず、ジェシカと彼女の演じるキャラの魅力と、展開のスリル、(勝ったか負けたかということは伝えませんが)鑑賞後に得られる結末の感動をひたすら感じられる映画です。法廷ものとかが好きな方は絶対にはまると思います。おすすめの作品です。